スイーツ業界 低単価・移り気招きやすい商材 露出・話題性高めてユーザー掴め
低単価・移り気招きやすい商材 露出・話題性高めてユーザー掴め
運社営運--新保哲也アトリエ
当初チョコレートを主な商材としていたが、冬場に傾よりがちであった為商材を切り替え、地域特性を生かした商品開発で、現在サイト年商4億円を売り上げるまでに成長したのが「神戸フランツ」だ。
運営会社であるフランツ(兵庫県神戸市/年商7億円)眞田泰秀社長は、2000年に実店舗でチョコレート店をオープンした。翌年には自社サイトでの販売をスタートさせたが、なかなか売上に繋がらなかったという。 「チョコレートは冬しか売れないので難しい商材です。特需以外の通期で販売できる商品を柱に持つ必要があると思いました」(眞田泰秀社長) 当時、ホール単位での販売が多かった中、カップに小分けにしたチーズケーキを開発。「神戸半熟チーズケーキ」というフレーズでやわらかさを前面に売り出した。するとオフィス需要などを多く獲得。年間を通して売り上げるようになった。 「商品開発のコンセプトとして神戸の文化と地産地消物を重ね合わせ、全国の方へお届けできるよう努力しています」
スイーツはネットショップにおいて新規参入し易い商材と言える。そのためウェブ制作会社などがどこからか仕入れ、ネット販売に乗り出すといった異業種の参入ケースも多い。だからこそ競合も多い。例えばアパレルのように目で見て購入する商材ではないため、どこの店舗もお試し販売を行っており、浮気されやすいという事実もある。ギフト需要ならまだしも、日常使いでリピーターを獲得するには商品力はもちろんのこと、ユーザーに積極的にアプローチしていく必要がある。 シリアルマミー(東京都杉並区/年商二億円)の篠直余社長は、ネットショップ以外に「美食の王様」などのおとり寄せサイトに数多く出品しているのだと言う。 「確かに売上に対して数10%がマージンとして取られるわけですが、初期費用は必要ありません。一度食べてもらい好きになってもらえれば、弊社のサイトを訪れてくれる可能性も高いわけです。広告費のようなものですね。人件費等を考えると、出店モールを増やすよりも安いかもしれません」(篠直余社長) またR.L(エール・エル)の前田将人氏は「単価が低い分、人気に火が付くと売上が急上昇する可能性もある。常に話題性を提供し、注目を集める努力が必要」と語っている。

↑創作洋菓子店「シリアルマミー」本店のサイト
店長
足立おとえもん社長
栗菓子のみで勝負に出る コアな高級志向のファン獲得
運社営運--足立音衛門
サイト名--足立音衛門
アイテム数を絞り、栗を使ったケーキ(テリーヌ)を集中的に打ち出すことで、かえってコアで高級志向のファンを多く獲得しているのが「足立音衛門」(京都府福知山市/年商一億円)だ。 同じ栗のケーキでも2500円から一万円まで、値段別に商品を数段階に設定。一万円の栗のテリーヌ「天」では、最高級の材料を使用し、店長直筆で書かれた商品名にシリアルナンバーが入るというもの。こだわり志向の顧客の心を掴み、昨年12月には月間380本を販売したという実績を持つ。 足立おとえもん社長は、38歳の時ケーキ作りを独学で学び、実店舗をスタートさせた人物。2001年11月より楽天に出店し、和三盆糖を使ったケーキ店として展開してきた。ベルギー製チョコレートの量り売りなど、その時々の企画で売上をそれなりに伸ばしたが、一つの問題にぶつかったのだと言う。
「楽天内広告では売上は伸びるのですが、リピーターを獲得できない。価格で集まる人ではなく、こだわりの高級志向を持ったお客様を集めないと意味がないと考えたのです」(足立おとえもん社長) 実際一番よく売れるのは中間価格である3880円の商品だが、一万円の商品は高級ケーキとしてマスコミに取り上げられ、話題作りに貢献している。百貨店から催事出店依頼も増えている。全国36店舗の実店舗を活用した プロモーションで話題作りに成功
サイト名--R.L(エール・エル)
ワッフル・ケーキのお店「R.L(エール・エル)」では、全国36店舗ある実店舗をうまく活用し、ネットショップの売上を伸ばしている。例えば「ご当地甲子園」と題し、各地の名産品などを使用したご当地ワッフルの企画案をネット上で募集。実店舗でチラシなどを撒き告知することでも、ネットへの集客を促す。人気投票を行い販売数と合わせた優勝商品を顧客が予想し、当ればプレゼントがもらえる。またネットでは全国の各種オリジナルワッフルが購入できるといった内容だ。 「以前はアフィリエイトや検索対策、広告などにも注力していましたが、集客は出来てもリピーター獲得がなかなか難しい。そこで実店舗を巻き込んでのキャンペーンや話題作りを行っていくことにしたのです」(通販グループ前田将人マネージャー)
兵庫県西宮市に拠点を構える新保哲也アトリエ(年商18億円)が同サイトの運営会社だ。建築士である社長が、建築の勉強の為訪れたヨーロッパでワッフルに出会い、1991年ワッフルケーキの専門実店舗 「Rene Lalique」をオープンさせたのが始まりだ。日本ではまだ馴染みの薄かったワッフルは、話題を集めた。百貨店などを中心に店舗を増やしていった。 「たまたま社長が雑誌の取材で『発送もできますよ』と語ったところ、全国から注文の電話が殺到しました。対応も大変だったので、自社サイトを立ち上げることになったのです」 2001年、ひょんなことからネットショップに進出した。翌年には楽天出店。ネット内のプレゼント企画のみならず、実店舗のフリーペーパーでネット限定の商品を告知するなど、当初から店舗を利用し集客してきた。現在サイト会員数は、20万人だ。システム管理部
浜岡賢次氏
老舗店いちはやくネット参入 モールの集客力活用し売上伸ばす
運社営運--あさひ製薬
サイト名--果子乃季
創業90年余の老舗和洋菓子店が、元SEである社長の声がけによりスタートしたネットショップで確固たる地位を築いている。山口県を中心に43店舗の実店舗を展開するあさひ製菓(山口県柳井市/年商24億円)が運営する「果子乃季」(サイト年商三億円)だ。 同社ではネット黎明期と言われる2000年から自社サイトをスタート。プレゼント懸賞サイトへの無料掲載などを駆使し集客してきた。 「食べて味が気に入らなかったら返品可能など、当時としては画期的な施策に打って出ました」(システム管理部浜岡賢次氏) 競合が少なかったことでもユーザーを集め、ヤフーから出店依頼の声がかかったことを機に2003年モールに出店。そこで新たな転機を迎える。 「それまで苦労して月商400万円まで伸ばしてきましたが、ヤフー出店後すぐに月商600万円まで行きました。モールの集客力を実感し、その直後楽天に出店するなどチャネル開拓に注力することになりました」
現在では楽天、ヤフー、ビッターズ、自社で展開。モールでの売上比率が高い。ヤフーブログで顧客の声を集め、ヤフーとの共同開発で商品を開発。三ヶ月で5000個を販売するなど、モールの集客力と規模を駆使して精力的に店舗運営を行う。 「競合が多く気を抜くとすぐに顧客が離れてしまう商材です。露出を増やすことが大事だと考えます」 広告費も年間1500万円程と積極的に投入。知名度を高めることで、リアルでの卸やバイヤー、百貨店などから声がかかることも多いのだと言う。近所で評判のケーキ仕入れ販売 レビュー獲得に注力し顧客掴む
サイト名--神戸スイーツ
地元で人気のケーキ店と提携し、ネットでの販売を手がけるのが「神戸スイーツ」(年商2000万円)だ。現在提携先は二社。60~70アイテムを扱う。売上の六割を占めるのが「オペラ」というチョコレートケーキだ。 「近所で評判のビスキュイという洋菓子店では、HPはあったもののネット販売はしていませんでした。そこでこちらから話を持ちかけ、弊社がネット販売を手がけることになったのです」 そう語るフロム神戸(兵庫県神戸市)の原康雄社長は、もともと家業である靴の加工業を営んでいた。しかし、中国などに仕事が流れ業績が傾く中、2002年バリなどで直接買い付けたアジアン雑貨のネットショップをスタートさせた。これがブームに乗り思わぬヒット。月商1200万円を売り
上げ、二年後には専業となった。 しかしアパレルには流行り廃りがあり、ブームに左右され売上が安定しないという点から、別の商材を模索。そんな時出会ったのが前出のケーキ店だった。’06年8月に楽天に同店をオープン。格安で半分のお試しサイズを売り出し小さな広告を出すと、季節柄他社が力を入れていなかった事も手伝い、二週間で1200本が売れた。 「人は集まりましたが、リピーター獲得のための施策を考えていませんでした。顧客は付かず、そこから一年以上苦しい時期が続きました」 試行錯誤する中、昨年の4月、安く売る代わりにレビューを必ず書いてもらうという事を試した。ちょうど楽天がレビュー重視の体制に変わった時期と重なり、それまで月商50万程度だったのが、徐々に売上がアップ。 「ケーキは検索商材だったのです。レビューの効果がとても現れ易い事が分かりました」 半年後の繁忙期には売上300万円以上を達成した。今後も知られざる名店の商品を発掘し紹介していきたいと語る。フランツ
眞田泰秀社長
神戸フランツ 通期需要見込める商材に切り替え 繁盛店へと成長遂げた

社長
栗原康浩社長
ところてんの伊豆河童 地元産の特徴あるところてんに 多くのファン獲得
運社営運--栗原商店
サイト名--心太の伊豆河童
元々こんにゃくを主力に卸事業を展開していた栗原商店(静岡県駿東郡/サイト年商6300万円)だったが、ネットショップ進出時、地元が産地であるところてんに商材を絞り売り出していった。 「地域の名産品を商材に選定することで、ネットで全国の人に対してアプローチがしやすいと考えました」(栗原康浩社長) また同社のところてんは原
料を多く使いこしが強いという特徴がある。2000年に楽天出店後は、リピーターを多く獲得。'03年、'05年には楽天グルメ大賞にも入賞した。
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