ジュエリー業界 貴金属価格上昇で顧客減少 コアなファン狙うか商材横展開図るか
貴金属価格上昇で顧客減少 コアなファン狙うか商材横展開図るか
ジュエリー・アクセサリーは「小さくて単価が高い」。 ECには最適な商材と思われてきた。
卸業者との取引も難しくなく、商品数が多いため型番をもとに検索されることが少ない。
故に大量の資本を背景にした仕入れ力もさほどの意味をなさない商材として、個人レベルのサイトが続々と増えた。価格競争の波に巻き込まれることも少ない。
しかし、状況は変わりつつある。貴金属価格高騰でこの”旨み“が減りつつあるのだ。
服やバッグに比べ、季節感や流行り廃りの動きが少なく、価格が上がると真っ先に顧客が買い控える商材がジュエリーなのだ。
一方でコアなファンも確かに存在する。マニアックで目利きの鋭いユーザーをいかに囲い込むかが重要となる。
老舗サイトはその顧客ベースを生かし、バッグや洋服など横に商材を広げることで売上の維持を図る。女性をターゲットとしているため、ユーザーさえ抱えていればさまざまな展開が可能だ。
それぞれのサイトがどのような戦略に出るのか、岐路に立たされている時期と言える。
ファッション性を重視幅広い ユーザー取り込み横展開図る
サイト名--Cafe Fragrant Olive
2001年に「Cafe Fragrant Olive」を立ち上げ、25万人というユーザー数を誇るドリームフィールズ(東京都渋谷区/年商8億3000万円)では「広く女性に受け入れられるもの」を意識し、商品選定を行ってきた。
Cafe Fragrant Olive
専務取締役
成澤泰介
ジュエリーの専門家集団クチコミで人気集め後発参入で月商3000万円以上
運社営運--ベーネユナイテッド
成澤泰介 専務取締役
成澤泰介 専務取締役
サイト名--ベーネ・ベーネ
業界的に厳しい風が吹くジュエリー業界において、完全なる後発参入組でありながら、売上を破竹の勢いで伸ばし続けるネットショップがある。ベーネユナイテッド(山梨県甲府市/全体年商9億6000万円)が運営する「ベーネ・ベーネ」だ。現在、貴金属メーカーとして卸事業をメインに手がける同社だが、2004年会社設立当初は楽天のみが収益源だった。ジュエリー職人であり現社長の宝服氏と、ジュエリーメーカー営業職であった成澤氏、プランナーの内藤氏の三人が、脱サラし立ち上げたのが同社だ。 「自分達の納得のいく作品を作り卸事業を展開するつもりだったのですが、全国の問屋や小売店をまわる出張費すら出ない状況でした。そこでまずネットでお金を稼ごうと楽天に出店することにしたのです」(成澤泰介専務取締役)
’04年11月楽天に出店。広告費は一切使わなかったが、翌月には月商240万円に。その後売上は右肩上がりだったという。その理由は、顧客にジュエリーをテーマとしている楽天ブロガーがおり、クチコミで瞬く間に噂が広まったためだ。 「最初は何をどうしたらよいのかわからない状況でしたので、お客様の要望を一つひとつ形にしていきました。その中でもやたらと注文が多いお客様がいたのですが、その都度できる限りの対応をしました。後でわかったのですが、その方がたまたま楽天内の人気ブロガーだったのです」 指輪を0.5番刻みにできないか、ピアスの穴を開けたての人用に針を太くできないか等、マニアックな要望にも応え得る技術力と対応力、そして何よりジュエリーの専門家が取り扱う商品力が買われた。楽天ブログ内のジュエリー好きユーザーの間で話題となり、四カ月後には月商500万円を突破。その後は受注管理システム等のインフラを整えることで、10ヶ月後には1000万円超え、出店約一年半にして、月商3000万円の大台に乗ったのだった。 「スペックだけでは技術力や本当のクオリティーはわかりません。そうなると店の信用力でしかないのです。作っている工程を見せるなど、こだわりをできるだけ表現するよう心がけています」小山徳子チーフ
1000点の商品は大半が1点もの
売れるごとに商品再掲載で月商は100万円
運社営運--デジャブー
サイト名-デジャブー
インディアンアクセサリーの「デジャブー」は月商100万円。商品数は1000点以上あるが、ほとんどが一点もののため、売れるごとに写真を取り直し、説明文を書き直す手間をかけている。 「500点掲載するのに二ヶ月かかりました。サーバーの容量を超えてしまったので、2000商品まで掲載できるものに替え、現在も商品数を増やしています」(小山徳子チーフ) 同社の本業は雑誌制作会社。一階に事務所を借りたことから道に面したスペースを使い小売店を’07年5月に、サイトを同年7月に開いた。趣味で買い集めてきたインディアンジュエリーを販売している。
「インディアンジュエリーで有名なサイトとは広告費のかけ方に違いがありますが、商品的には大差はないと考えています。楽天で最も多く売っているサイトの担当者と話したこともありますが、革製品が売上の大半で、インディアンアクセサリーは一日に一個程度しか販売していないということでした。サイトの作り方や宣伝を強化する一方でインディアンアクセサリーの知名度自体が今後上がっていけばいいと考えています」実店舗と卸事業を組み合わせ 3000商品の仕入れ力を発揮
内川博伸店長
運社営運--レインボーハウス サイト名--レインボーハウス
ハワイアンジュエリーの「レインボーハウス」はサイト月商450万円。サイトでの販売につなげ
るために高円寺、町田に実店舗を構え、卸売りも行う。 「単価一万円以上の商品を買うのにサイトだけではなく、店で確かめて買いたいという客が多いことを見込んで99年にサイトと実店舗を出店しました」 店長の内川博伸氏はハワイに10年間近く滞在したなかで見つけた仕入先から商品を仕入れている。 「商品数は在庫だけで800種類以上。取り扱いは3000点以上あります。卸元の多くは値崩れを恐れてウェブショップに商品を卸すことを嫌がります。そのため、実店舗があると有利です。さらに小売りだけでは商品の回転がどうしても遅いので、卸も行うようになりました。現在売上はそれぞれ三割ずつ程度。卸しは利益のためではなく、あくまで商品数を豊富に揃えるためにすぎません」 オーダー品の注文が全体の三分の一を占めるため、顧客対応に手間がかかることが多い。自社サイトで徐々に売上を伸ばしていく考えだ。
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