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肉業界        日常使い・贈り物需要どちらもリピーター獲得が鍵

日常使い・贈り物需要どちらもリピーター獲得が鍵
 
 神戸牛などのブランド牛の贈答品需要は高い。

 同時に日常使いの肉も忙しい主婦の需要を獲得している。ネットショップ市場が盛り上がりを見せ、肉をネットで購入することは現在では一般的だ。しかし、EC黎明期においては、なま物の象徴的存在である肉をネットで売ることは容易なことではなかった。

 例えそれが競合不在の状況であったとしても。

 それぞれのショップは独自の工夫を重ね、顧客を啓蒙し、事業を拡大してきた。  

 ブランド肉とそれ以外の肉では売り方が異なる。前者は商品力が既にあり、リスティングや価格等で勝負することになる。

後者は競合が多いだけに商品そのものに一工夫が必要だ。検索商材ではないため、楽天の方が売り易いという声も多い。

 しかし両者ともリピート率の高い商材であり、ひとたび顧客の心を掴めばファンがつくという特徴がある。  

価格他各種条件に厳しい主婦層をターゲットとしている部分でも
、高度できめ細やかなサービスの提供が不可欠と言えよう。
店長
フード三愛

生産者がひと手間かけた生肉直販 新鮮さを売りに主婦需要獲得  

  運社営運--フード三愛  
サイト名--8010のとりやさん
安さと鮮度を売りに、大和肉鶏メーカーであるフード三愛(奈良県桜井市/全体年商3億5000万円)が展開するネットショップ「8010のとりやさん」が、売上を拡大している。サイト年商は8100万円だ。 「名古屋コーチンなどと違い大和肉鶏は知名度がありません。地元では売れても全国展開が難しい。そこで広告宣伝代わりに楽天に出店したのです」(茂倉洋将店長)  2000年楽天出店。当初は生肉のみの扱いからスタートした。 「メーカーであるため凝った加工はできません。しかし、生肉はお客様からすると手に取りづらい。そこで、ひと手間かけて串刺にし、焼き鳥セットにして売り出しました」  新鮮な同商品は少しずつ人気を集め、クチコミで拡がっていった。そして、顧客にレビューを書いてもらうようにフォローメールを送るなどしたことで、2000件のレビューを集めレビュー一位を獲
8010のとりやさん
http://www.e8010.com/site/index.html
ネットショップ開設年 2000年
もともとの主体事業 生産者
月商  8100万円
得。戦略的に目玉商品を構築していった。  そうして焼き鳥セットから入った顧客が生肉を購入するようになっていき、売上は上昇。現在でも焼鳥セットは月間500セットが売れる人気アイテムだ。同時に居酒屋やレストランなどBtoB案件も増え、全体の年商はネット開始前の倍以上になっている。
辰屋
辰巳真一社長

卸事業の不安定さにEC乗り出す 細かなサービスで全国にファンを獲得

運社営運--辰屋
サイト名--神戸元町辰屋
卸事業をメインに展開していた神戸牛専門店辰屋(兵庫県神戸市)がネットショップに乗り出すきっかけとなったのは、阪神大震災・BSE問題と度重なる逆境での苦い体験からだった。 「震災時、得意先の料理店などは半年以上店を閉めたまま。BSE問題のときも軒並み料理店は振るわず取引も激減しました。神戸牛というブランドの知名度を使って全国相手に商売しないと駄目だと思ったのです」(辰巳真一社長)  2000年6月、知り合いに頼みサイトを構築。独自店舗を立ち上げた。当時「神戸牛」で検索に上がってくる店舗は三件のみ。競合は少なかったが、ユーザーも生肉をネットで注文することに慣れていない状況だったのだと言う。
神戸元町辰屋
http://www.kobebeef.co.jp/
ネットショップ開設年 2000年
もともとの主体事業 卸事業・実店舗
サイト年商  1億1000万
「『不在だったらどうなるのか』『保冷材はちゃんともつか』など一つ注文を受けるのメールでの質問のやり取りが3、4回は発生していました。すべて数時間以内に返信することを徹底し対応しました」  Q&Aを充実。ギフト需要が多いことから複数の送り先指定を可能にしたり、持参用に二重箱にし手提げ袋を付けるなどの工夫をした。 また、不在を避けるため一件一件送り先に電話連絡するなど、顧客目線でサービスを充実させることで、着実にリピーターを増やしていった。細々ながらダイレクトメールで遠方からの注文を受けていたノウハウが助けになった。 現在客単価は1万2000円とギフト需要が大半を占める。’05年以降、ECの盛り上がりと共に売上を拡大している。 「全部で8名の小さな店です。生肉は注文を受けたその日に切り箱詰めするため職人の手が必要となり、贈り物の時期はてんやわんやです。加工品の割合や、普段使いを増やすなどしてバックヤードに無理のないような体制を整えるのが今後の課題です」
注目サイト 新鮮市

SEO販売会社が始めたECサイト あえて競合多い「松坂牛」扱い上位表示 


  運社営運--ジオコード  
サイト名--新鮮市
SEO販売会社の始めた松坂牛販売サイト「新鮮市」は独自商品ではないコンセプトの弱さを本業の検索エンジンで上位表示を行うSEOでカバーし、広告費ゼロ円で月商300万円を売り上げている。 「サイトは主力となるSEO商品の良さを客にアピールするために始めました。自社サイト、ヤフー、楽天に出店していますが、3サイトは連動しておらず手間も多く、月商300万円は決して満足いく数字ではありません。しかし、元々、サイトで収益を得ることは目的ではなくあくまで営業ツールと考えています」(榎本圭祐店長)
新鮮市
http://www.sinsen-ichi.com/
もともとの主体事業 異業種からのスタート
サイト年商 3600万円
「松坂牛」は競争の多いワードだが、同社では主要な検索エンジンで一ページ目の上位にサイトを表示させることに成功している。 「松坂牛」販売サイトのSEO対策案件を手掛けたことがきっかけで自社サイトを05年に開設した。在庫は一切持たず、客からの注文を受けた後、委託先から配送を行うドロップシッピングの形式を採る。商品も当初は松坂牛のみを扱っていたが、現在は神戸牛や蟹といった人気の高い商品も扱い、それぞれの商品でSEO対策を行い、上位に表示させることで本業のSEO対策商品の力をアピールしている。同社では事業として、ECサイト製作等も行っていく考えで今後も、自社のECサイトを営業の際のツールとして使っていく考えだ。

地元の牛タン有名店を巻き込みポータルサイトとして集客成功

  運社営運--マイティー千葉重  
サイト名--仙台牛タウン
 
 
     千葉大貴社長
仙台の名産「牛タン」販売で最も成功しているサイト「仙台牛タウン」を運営するマイティー千葉重(宮城県仙台市)の千葉大貴社長は、地元名店街を巻き込む取り組みで人気サイトを作り上げた。 「当初、仙台牛タン振興会の会長からは賛同を得られたのですが、それぞれの店舗ごとに温度差があり、協力が得られないこともありました。
仙台牛タウン
http://www.gyutown.com/
ネットショップ開設年 2004年
もともとの主体事業 
 異業種からのスタート
サイト年商  約1億円
インターネットなんてと塩をまかれたこともありますよ」  地元の牛タン専門店の紹介と牛タン製品の販売を行うサイトを作ろうと考えていた千葉社長にとって地元専門店の協力は必要不可欠だった。当時、千葉社長は三食とも牛タ ンを食し、店に顔を出しては、インターネットによる「仙台牛タン」広報の重要性を説いた。時は狂牛病問題の真っ只中。経営難に嘆く店主たちは千葉社長の情熱に理解を示していったのだ。 「仙台牛タウンは地元の有名店が顔を連ねることで牛タンのポータルサイト的な存在にすることができました。牛タンで人を集めることで地元の名産品の販売も伸ばすことができました」  現在同サイトは月商1000万円を超える規模になっている。同社ではこの実績を元にサイト制作の事業を伸ばしたり、新たな地元名産品のプロデュースをしたりと勢力的に活動を続けている。

卸・加工・実店舗まで手がける事業母体が独自商品開発・ラインナップに活かされた



運社営運--ネオプライムヒグチ
サイト名--飛騨牛肉のひぐち
「飛騨牛肉のひぐち」を運営するネオプライムヒグチ(岐阜県可児市/全体年商一六億円)では、加工品技術を活かし付属商品を開発するなど、独自商品の提案を行ってきた。  契約農場から買い付け骨抜きなどの作業、卸、実店舗販売までの一連を手がける同社。郵便局のふるさと小包で実績が出た事をきっかけに、通信販売の可能性を感じ、2001年ネットショップに進出した。
飛騨牛肉のひぐち
http://www.rakuten.ne.jp/gold/
nikunohiguchi/

ネットショップ開設年 2001年
もともとの主体事業 メーカー・卸・実店舗
サイト年商  5000万円
「最初の三年間は赤字でした。抽選でプレゼントを提示しアケートを回収することで、まずはお客様の要望を拾いました」(村田麻耶店長)  そんな中、顧客の声から生まれたのがステーキソースや焼肉のタレと言った独自商品だ。工場などを持ち、加工技術を持っていた同社の母体事業が活かされた。 また、内祝いののしに子供の写真をプリントできるサービス、主婦向けに使う分だけ取り出せるチャック袋入り肉など、独自のサービスを打ち立てていった。広告費を徐々に増やしていったことでも、売上は順調に推移。現在サイトの年商は5000万円だ。客単価は3000円と普段需要が多く、リピーターは多い月で50%程だと言う。
店長
佐藤  豊店長

仕入れ頭数限定の商品力生かし 広告費ゼロ円で月商250万円

  運社営運--ジオコード  
サイト名--筑波ハム
楽天内で最も高い価格帯ながら、月商250万円を売り上げるのが「筑波ハム」だ。商品の「ローズポーク」は農家、販売先が一部に限定された商品。食品メーカーの筑波ハム(茨城県つくば市)はその他では手に入りづらい仕入れ力をいかし、価格競争に巻き込まれずに売上に繋げることに成功している。 「価格競争がない一方で、限定商品である分、仕入れられる量には限界があります。工場の生産能力もありますので、注文が販売可能数を超えないように常に注意しています。リピーターも6割以上を占めるのでクレームにならないように在庫量などを見極めながらサイトを運営しています」
 筑波ハム
価格帯は既に高く、販売頭数も限られており、今以上にサイトから売上を上げることは難しい。その分、費用をかけない運営を同社は行う。自社サイト、楽天、ヤフーに出店しているが、広告費は一切かけていない。セット商品を増やすことで梱包の手間も削減する。 「箱に入るように組み合わせた5点セット5000円といった商品を多く揃えています。単品ごとに数点を選ばれると、箱に入らない組み合わせになることも多く梱包作業が大変になるからです」

日本の食文化にないフランス鴨の 食べ方から提案し啓蒙を図る

 
 
運社営運--ジェイエフトレード
サイト名--シェフ桑原 鴨とフォアグラ専門店
柱である「フォアグラ」とともにちょっと背伸びした食事を演出し、贈答需要などを掴まえ月商100万円~200万円、年商2000万円を上げている。フランス鴨の日本での飼育に成功したその世界での権威、桑原孝好シェフの名を冠した同サイトはいたって順調のようだが、水嶋社長は「課題は多い」と語る。
シェフ桑原 鴨とフォアグラ専門店
http://www.rakuten.co.jp/chefkuwabara/
ネットショップ開設年 2004年6月
もともとの主体事業 異業種からのスタート
サイト年商  2000万円
「鴨料理やフォアグラ、テリーヌなどフランス料理を前面に出していますが、日本人が食卓にこれらの食材を並べる文化がないのが難しいところです。弊社のサイトでも一番の売れ筋は鴨鍋セットですからね」  差別化には成功しているがそもそもの需要が小さいところがネックになっているようだ。そのため「鴨ハンバーグ」など馴染み易いメニューの提案を行い、敷居を下げる取り組みを行う。他にも鴨ハンバーグ、鴨タタキ、胡麻ドレッシングの三種を組み合わせた「お試しセット」を格安で販売したり、雑誌で取り上げられた事例を引き合いにワインと鴨肉の組み合わせを提案するなど様々なやり方で鴨をアピールしているのだ。  現在の売上規模は決して大きいとはいえないが、世の中の流れはどう転ぶかわからない。健康志向などからビタミンや鉄分が豊富な鴨肉に注目が集まり、人気に火がつく可能性もある。そうした時には現在の取り組みが一気に実を結ぶだろう。
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