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贈答需要の奪い合いで市場が活性化
リピートに繋げられるかが勝負の分かれ目
コアなバラ好き囲い込みリピート需要獲得
贈答需要を中心に生花のEC市場は年々拡大している。近くの生花店から贈答用の花を注文できる「花キューピット」などの宅配市場をインターネットが奪っているようだ。もちろん「花キューピット」自体もネットの事業に注力している。
また、特に地方の花屋は商店街の冷え込みなどによりECで売上を伸ばさないと未来はないという背景もあり、各事業者が躍起になって取り組みを加速させているようだ。
生花販売とECは相性が良いという側面もある。花屋ビジネスの一番の肝は生ものならではのロス率管理の問題。20%~30%のロスが当たり前という店頭販売の状況に対してネットは「母の日」「クリスマス」「誕生日」などイベントに合わせた事前注文を得られるためロスを生まない効率の良い経営ができるという。
しかし、課題はリピーター獲得が難しいという点だ。ECではどうしても贈答需要に頼ってしまうため、イベントごとの新規顧客獲得競争に巻き込まれてしまう。ユーザーも自分が購入するものではないためより安く、より質の高い商品があればそちらに反応してしまうのだ。
各EC事業者は法人需要、仏壇花需要の獲得やコンシェルジュサービスなどリピートに繋げるための取り組みに知恵を絞りあっている。群雄割拠の生花EC市場だが、リピーター獲得に今後の勝負の分かれ目がありそうだ。 贈答需要を中心に生花のEC市場は年々拡大している。近くの生花店から贈答用の花を注文できる「花キューピット」などの宅配市場をインターネットが奪っているようだ。もちろん「花キューピット」自体もネットの事業に注力している。
バラのみに特化し、年商1億5000万円を売り上げているのが「ザ・ローズショップ」だ。花束やアレンジメント他、変わった苗やバラの香りの入浴剤などを扱っている。
同店を運営する長野ローズ(長野県埴科郡)の事業母体は生産者だ。卸価格の不安定さに、直接販売に乗り出したのが2000年。
「実店舗と同時にHPを立ち上げたのですが、実店舗の方が立地の関係から全く人が入らず、ネットに注力していくことになりました」(竹内佳子店長)
バラのラインナップを活かし品種の固有名詞などでSEOをかけたり、「バラ図鑑」と称し、品種や種類について詳しい説明コンテンツを作る等、コアなファンを獲得していった。また規格外のバラをプリザーブドフラワーにすることで取り扱い分野を広げていった。
花工房
次々と新しい手を打ち続け
需要開拓し年商6600万円
オークションをうまく活用して売上を伸ばし、年間6600万円もの売上を上げているのが「エーデルワイス」運営する花工房(茨城県水戸市)の綿引一昭社長だ。
「サイト開設したのは97年。独自ドメインから始め楽天市場に出店しました。オークションは先行して展開していた会社はありましたが、皆最低入札額を定めていました。弊社では小さく始めましたが、一円から入札を開始したのです。他にも他社があまり扱っていなかったブルーベリーの鉢をオークションにかけたり新しい取り組みを積極的に行いました。それらがユーザーにうけ、オークションだけで月100万円弱売り上げたのです。当時では大きな数字でした」(綿引社長)
一円オークションは同社の成功を見てすぐに他の会社も追随し、すぐに過当競争になってしまった。そこから綿引社長は、商品開発に注力。中でも大輪のユリの花束はヒット商品だ。3000円〜の商品だが飛ぶように売れている。商品の見せ方にも気を使っており、女性スタッフが抱えきれないとばかりに花束を持つ写真が掲載されており、その様子から商品のボリューム感が伝わってくる。この商品がヒットしたことで他のサイトも同様の商品を売り出したが、先行して展開していた強みを生かし、数多くのレビューを掲載しており人気は衰えを知らない。こういった核となる商材があるとユーザーの目に留まりやすく、他の商品の売れ行きも変わってくるという。
「花は贈答需要が大きいですが母の日など注文が集中する日にはあえて広告を打ちません。対応しきれないほど注文をいただいてもクレームに繋がってしまいますから。それよりも誕生日や記念日向けのイベントやポイントキャンペーンなどデイリーの売上を上げるための広告企画に参加するようにしています」。
また同社では法人需要を取り込む胡蝶蘭専門の販売サイトを作る準備もしている。同様のサイトはあるがまだまだ少なく、培ってきたコンバージョン率向上のノウハウやSEO対策の強化によって大きな売り上げを上げられるサイトが作れると考えている。近いうちのオープンを予定しているという。
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イベント集客に成功し月商100万円突破 リピーター獲得が今後の課題
開設から2年弱で月商100万円を突破したものの壁にぶつかっているのがふろーりすと花子(茨城県日立市)の宇佐美力社長だ。 「花のネット販売はギフトがメイン。どうしても母の日やクリスマスなどのシーズンに集中します。しかし、ギフトとしてご注文いただいた方は、自分が手にすることはないので商品の良し悪しを実感するのが難しいです。そのためリピーターにつなげるのが難しくイベントごとに新規を獲得していかないといけないのです」 目を引くデザインやプロカメラマンを使った写真撮影などにより贈答用の需要に応える見え方のレベルは確実に上がっている。メルマガを執筆し、日常必要となる仏壇用や園芸用の花の販売につなげたいと考えているがそれがなかなかうまく行かないようだ。 「日常用のニーズに応えたサイトをもう一つ作ることも考えましたが、実店舗もありそこまで手がかけられません。 |

法人対象のサイトを開設 オフィスに花を宅配
運営会社-オフィスフラワーサービス
もともと花の仲卸業社フローレ21が同社の母体。停滞する花卉産業の打開を目指し、花屋のFC化やEC事業といった展開を進めてきた。07年3月には、花に関する総合サイト『フラワーアベニュー』を開設した。
「花に関する総合サイトを目指し、ブーケ・アートフラワー・胡蝶蘭専門といったカテゴリーに分け、商品を販売しています。しかし、集客やリピーターの確保など、課題は集積している状況。売上は伸び悩んでいます。再検討の結果、法人向けと個人向けサイトを切り離すことにしました。それぞれの属性を明確にする必要があると考えたのです。さらには、他社と差別化を図る意味でも、法人向け事業に注力しようということで、今年3月からオフィスフラワーサービスを立ち上げました」
比較が難しい商材を逆手に顧客対応徹底で差別化実現
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ネットショップ開設年-1995年
もともとの主体事業-
紙媒体を使った通販事業
月商 5800万円
95年から自社サイトでの販売を開始し、会社年商は7億円。バラ農家を半年がかりで口説き産直のバラ販売からスタート。当初、サイトは月商30万円弱に過ぎなかった。同サイトのリピート率は70%超。年を経るごとに売上を増加させてきた理由はこの一度利用した人間をサイトのファンにさせる方法にある。
同社では”声“による対応を徹底している。メールの注文であっても届かない可能性が少しでもあれば電話による確認を行っている。
「一年に一度か二度しかギフトで花を贈る機会はない。しかし、その一年に一回の顧客だからこそ、絶対にミスがあっては許されません。例えば住所の記入が不十分で再配送になる可能性が高いようならそれは客の責任ではなく、弊社が最後まで届ける責任がある。誕生日に会社に贈ろうとして配送日が土曜日になっている。その場合も電話で金曜日か月曜日に送ったほうがいいのではと確認を行います」(長澤眞也社長)
この利益を度外視した徹底した確認作業が化粧品などと比べリピート率が低い業界にあって、七割強のリピーターを獲得している。高いファン層を味方に、産直のバラから果物や洋菓子、酒類なども扱う。商材を広げてもそのギフトをしっかり届けるというサイトの姿勢は変わらない。
同氏は百貨店勤務から脱サラして同社を設立した。部下を引連れて設立したこともあり、顧客対応を徹底することは特別なことと考えていなかったという。その後、スタッフが増えても周りのメンバーの姿勢から自然とその顧客対応の方法を学んでいくのだという。
「3000円の注文に一日中かけて対応する場合もあります」
この言葉からも同社の顧客への思いが伝わってくる
手間が多く外注も必要で趣味から商売化には難あり!
「注文を受けてからの手間は大変。土や水がこぼれないように、傷がつかないようにするためにラッピング、配送それぞれに技術が必要になります。単に作品を教室で習って作れるようになったといっても花屋などで勤めた経験がなくてウェブで販売するのは難しい」
作品を作るだけでもその手間は他の商品以上にかかるようだ。同氏は繁忙期には作業を外注し対応する。「外注がなくては、私一人ではどうにもできない。例えばプリザーブドフラワーは問屋から仕入れた段階では花だけで茎が付いていない。そのため、一本ずつ手作業で茎を作りつけていかなくてはなりません。」労働集約型ビジネスとなり、スケールメリットがないと商売として成功させるのは難しいそうだ。

ネットショップ専門雑誌
ECチャンス創刊号!

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